こちらは1995年5月、今井雅宏氏が初めて出版した「Mの法則」の本。
いつかは読んでみたいと思っていたMの法則の過去の本、特に一番最初に出版されたこちらの本は興味があったのですが、最近たまたま中古書店でお見かけしたので、即購入し、読んでみることにしました!
内容
こちらの本は、今井雅宏氏が当時、あらゆるデータを集め競馬を研究し、この時点でもプラス収支だったらしいのですが、競馬に没頭していたある日の事、
そのデータから導き出された絶対の本命馬がいて、抜群の手応えで上がってくるも、ゴール直前に何故かパッタリと止まってしまい3着に敗れる。そして午後にも、同じようなケースが立て続けに2回連続で起こるのでした。 (おかしい・・・)と家に帰り寝ることも忘れ、出走表を眺め続けた結果、ある共通する事実を発見することになります・・・
それが「Mの法則」との出会いだったようです。
そして実際のレースをサンプルに、そのサラブレットに隠された秘密を解説していきます。
Mの法則を発見し、今井氏がまだ「プロの馬券師」として、実に少ない点数で馬連の高配当を次々に当てていく様子、その馬券の根拠も説明されています。
まだこの頃は日本の競馬は閉鎖的で、ストレスの影響が甚大だった頃、
同路線によるストレスというのはかなり影響が大きかったようで、「馬はただでさえレースは嫌なのに、また同じ馬ばかりと顔を合わせると、さらに嫌気が差す」と
多くのレースでこの影響が馬の走りに作用することを解説、
それに付随して、逃げ追い込み・接戦 といった各種ストレス要素が次走に影響を及ぼし、凡走、あるいは故障することまでも予見していました。
「私達は小学校の頃から1つの答えしかないものを教えられてきたのだから無理もない」といった言い回しや、鮮度等についても「小学生の時は雪が降れば大はしゃぎしたものだが、年齢を重ねるにつれ面倒くさいと思うようになっていった」等といった、実に分かりやすい例を挙げて説明してくれています。
さらにサラブレット・ヴィサージュ(顔)という、馬自身の持つ特徴を、馬を見て分からない素人でも、どの競馬場のどの距離に実績があるかを見ることにより、簡単に且つ効果的に馬の個性を見分けられると解説。
ここに出てくる「根幹距離」という概念も、ここ数年のことでしょうか、競馬番組でも解説者がこの言葉を使っているシーンを見る機会も増えてきたのですが、
そういった概念も遥か20年以上も前から発見し、発信し続けていたのが今井雅宏さんという人物なのです。
さらにはもっと細かな部分、馬体重、休み明け、牝馬の生命リズム、固くなるとはどういうことか 等といったことについても触れられており、そしてプロとして馬券で勝つ為にはどうあるべきか といった内容も、各所で見られました。
まとめ
これは読んで良かったという内容でした!
もう古い本だから今の競馬には適用しないところがあるような気がして、最悪読まなくても大丈夫かなくらいに思っていたのですが、読んでみてその考えはガラリと変わりました!
「へぇ~そうなんだ~」という、実は今まで知らなかった基本的な部分が、ちらほら出てきて、
それは今現在の競馬においても、参考になると思える内容だったので、今までこういったことも知らないで予想していたのかという、自分の甘さを痛感する内容となっていました!
また、競馬の予想をしていて段々慣れてくると、自分の持っている知識が100だとすれば、その70くらいの範囲しか使わずに、予想を完結させてしまうようなところは
人間誰しも有り、陥ってしまう部分であると思うのですが、
そういった意味でも、例えMの法則をばっちり知っていたとしても、基本に立ち返らせてくれる、70しか使ってなかったものを、しっかり100に戻してくれるような そういう効果もあると思いました!
これを機に、また機会があればまだ読んでない過去のMの本も読んでみたり、まだまだ自分の知らないMの法則や競馬で普通に検討するべきファクターというものを勉強していき、より良い予想ができるように精進したいと思わせてくれた 勉強にもなり初心にも返れる内容でした!