ドバイターフもほとんど持ったままで先頭に立ち、詰め寄られはしたものの、完勝して見せたアーモンドアイですが、
今年の大目標は凱旋門賞なのだろうと、多くの競馬ファンが思っていたであろう矢先の事、
アーモンドアイが凱旋門賞を回避するというニュースが飛び込んできました。
>アーモンド、凱旋門回避…遠征費用は会員負担 牡馬サートゥル優先したい生産者
その実績や勝ち方から最強牝馬という呼び声も高く、アーモンドアイ主戦ジョッキーのルメール騎手にも「彼女は完璧な馬です」と評され、多くの競馬ファンがアーモンドアイの凱旋門賞挑戦に大いなる期待を寄せていたことでしょう
それだけに「アーモンドアイで挑戦しないでどうするんだよ・・・」という競馬ファンの落胆の声が聞こえてきそうな、ショッキングなニュースとなったように思います。
発表内容として
1つは、欧州遠征費用が会員負担になるから という理由もあるようですが、遠征の費用を一口の馬主に負担させているという事実にも驚きました。 とはいえ、これが決定打となって回避ということではさすがにないようで、
2つ目は、ドバイ遠征におけるアーモンドアイの体調の変化を観察、そして凱旋門賞ではコース・距離・斤量、全ての環境がタフな条件になることなどから、ベストのレース選択ではないと判断した ということでした。
馬の体調の変化については、管理している当事者以外は分からないので、何とも言えない部分はありますが、
その後の「タフな条件だから」という部分については、実は私も思っていたところであり、アーモンドアイが凱旋門賞に出るなら、馬場が重くなったら評価を下げようと考えたいたところはありました。
というのも、Mの法則の今井さんの解説や、ロードカナロア産駒の基本の走り等も見て、タフな2400mは体力的に厳しいと思っていたので、アーモンドアイの評価を下げるとしたらここしかないし、日本馬に勝って欲しいという想いはあるも、馬券的はチャンスと見ていました。
18年ジャパンカップの走破タイム
昨年のジャパンカップでアーモンドアイが、2.20.6という従来の2400mのレコードを1.5秒も更新してしまうという、驚異的なタイムで勝利をしました。
もし仮に凱旋門賞に挑戦となると、「日本から2400mを2.20.6秒で走れる怪物がやってきた、我々ヨーロッパの馬達はいったい何十馬身離されてしまうのだろうか」といった皮肉を交えた紹介をされてしまったり、
見事アーモンドアイが勝利したならまだしも、負けてしまった日には、
この有り得ないレコードタイムが、どのようにして生まれたのか 再び着目されてしまったり、あるいは本当にこのタイムで走ったのか?等、不正を疑う声が上がったり 等々
色々と、あまりよろしくない事態にもなりかねない ということで、
この速すぎるタイムで走ってしまったことによって、逆に凱旋門賞に挑戦しづらくなった という部分もあるのかもしれません。
サートゥルナーリアの存在
さらにそれらに加えて、サートゥルナーリアの存在も関係しているようでした。
ビジネス的な観点から見ると、(仮に同じ期待値だとして)牝馬のアーモンドアイが勝つよりは、サートゥルナーリアが勝ってくれた方が種牡馬価値は未だかつてない程高まり、爆発的な利益を生む
等といったところや、さらに我々が知らない様々な大人の事情というものもあることと思いますが、
Mの法則的に見ても、タフな2400mという意味では、先程のアーモンドアイより、サートゥルナーリアの方が適性があるように見え(今井氏も母方からロードカナロア産駒にしてはかなり体力を受け継いでいるだろうと評している)、
さらにアーモンドアイ58キロ、サートゥルナーリア56キロでは、相対的にも生涯鮮度が高くて適性も上と思われる、サートゥルナーリアの方が、1着の期待値は高いのかなと思います!
まとめ
M的に見ればアーモンドアイも、前哨戦をなるべく使わなかったりして、鮮度を保ちつつここまで来た印象があるので、もちろん凱旋門賞挑戦プランは早い段階から考えていた馬の1頭なのであったのかと思いますが、
それ以上に適性のある馬が登場した。こういった側面もあったのかもしれません。 もちろんサートゥルナーリアも、挑戦するなら4歳より3歳の方が、斤量的にも生涯鮮度的にも有利ですからね!
サートゥルナーリアが仮に凱旋門賞に出走するのだとすれば、それなりに速いペースの中山2000mGⅠは経験できたので、後は重い馬場のレース経験があればより完璧かなと思うのですが、もしかしたら今年のダービーは重馬場かもしれません
個人的な意見としましては、アーモンドアイも凱旋門賞が軽いレース質(パンパンの良馬場等)であればチャンスだったかとは思い、サートゥルナーリアがいなければ挑戦していたのではないかと思いますが、
さらに期待値の高い馬が現れた(1着期待値的にもビジネス的にも)為、こちらを優先した
そういった様々な事情が絡み合った中での、アーモンドアイに関してはちょっともったいなかったかなという気持ちも多少あった中での、総合的に見てのこの回避という決断 だったのではないかと思いました。