こちらが私的 日本競馬史上 最強牝馬ランキング TOP10 となります。
おそらく各ランキングの中では最も群雄割拠、競馬ファンの考えや好みによって、選ぶ馬がかなり変わってくるであろう、熾烈な争いになっていると思います!
※牝馬の主戦場である1600m~2400mくらいの距離で強いと思う馬を選んでいます
※80年より前の馬、短距離志向の強い牝馬 は除いています
※10位→1位の順番で発表していきます
10位 シーザリオ
父:スペシャルウィーク
母:キロフプリミエール
通算成績:6戦5勝 [5-1-0-0]
主な勝鞍:05’アメリカンオークス 05’優駿牝馬
出典:keibashokudo.cocolog-nifty.com/
デビューから3連勝で桜花賞へと歩を進めるが、フラワーCからという不利なローテーションに加えて、デビューから3戦連続となる馬体減り等も影響あってか、ラスト追い詰めるもアタマ差の2着に。
オークスを制した後、海外へと渡り、アメリカンオークスを4馬身差の圧勝! 日本調教馬として初めてのアメリカGⅠ制覇という快挙を成し遂げましたが、故障を発生し、同レースを最後に惜しまれつつも引退。繁殖牝馬としても優秀で、エピファネイアやサートゥルナーリアといったGⅠホースも誕生しています。
9位 ノースフライト
父:トニービン
母:シャダイフライト
通算成績:11戦8勝 [8-2-0-1]
主な勝鞍:94’安田記念 94’マイルCS
出典:Wikipedia
デビューは遅れたが2戦していずれも1秒差以上をつけての大楽勝ということで、注目が集まり、格上挑戦ながら府中牝馬Sに挑戦して優勝、当時京都2400mで行われていたエリザベス女王杯も2着と健闘した。
マイルくらいの距離がいいのでは ということで、距離を短縮して使われていき、翌年はそうそうたるメンバーが集まった安田記念、さらにマイルCSも制して春秋連覇を達成! 彗星のごとく現れて引退も早かったということで、歴史に埋もれてしまいがちな1頭ではありますが、勝率の高さ、マイルでは5戦5勝、そのレースぶり等、確かな強さを感じる歴史的牝馬の1頭であると思います!
8位 ヒシアマゾン
父:Theatrical
母:Katies
通算成績:20戦10勝 [10-5-0-5]
主な勝鞍:94’エリザベス女王杯 他
出典:Wikipedia
当時は「〇外」ということで、阪神3歳牝馬S(当時の年齢表記)を圧勝した後は、クラシックに出走できず、裏街道へ。
完全に負けたと思われた位置から差し切ったクリスタルC等グレード競争を5連勝、続くエリザベス女王杯でGⅠを初制覇、暮れの有馬記念ではナリタブライアンの2着に入る等、相手が悪かっただけで牝馬での有馬記念2着は高く評価された。 翌年もジャパンカップで外国馬優勢だった時代の中で2着に入るなど、牝馬で当時としては異例ともいえる活躍を見せました。
7位 エアグルーヴ
父:トニービン
母:ダイナカール
通算成績:19戦9勝 [9-5-3-2]
主な勝鞍:97’天皇賞・秋 96’優駿牝馬
こちらもヒシアマゾン同様「牝馬は古馬混合中距離戦になると、全く歯が立たない」という時代が長く続いていた中において、初と言っていい程の活躍を見せた内国産の牝馬
バブルガムフェローとの叩き合いを制し実に17年ぶりとなる牝馬の天皇賞馬となると、続くジャパンカップでも一流外国馬相手の2着、有馬記念でも3着に入る等の活躍もあり、史上2頭目となる牝馬による年度代表馬にも選ばれた。 翌年もラストランの有馬記念までは、古馬牡馬相手に3着を外さない活躍を見せたことから、「女帝」と称されています。
6位 リスグラシュー
父:ハーツクライ
母:リリサイド
通算成績:22戦7勝 [7-8-4-3]
主な勝鞍:19’有馬記念 他
出典:Wikipedia
この記事を書くわずか2週前、まれにみる豪華メンバーが揃った19年有馬記念を5馬身差の圧勝、海外GⅠコックスプレート、宝塚記念と、牡馬でも難しいであろう3つのGⅠを、強い内容3連勝し、惜しまれつつ引退した名牝馬
4歳秋まではGⅠにあと一歩届かない善戦止まりのレースが続いたが、エリザベス女王杯で悲願の初GⅠ制覇。 宝塚記念でいきなりスイッチが入ったかようにGⅠ3連勝を飾るという珍しい戦績となったが、同じハーツクライ産駒のジャスタウェイも似たようなパターンとなっており、種牡馬特有のものであるかもしれません。
覚醒時の状態で東京の16~24あたりを走ったらどうなのかは、未知というものがありますが、「しぶとさを求められるレースになったら、この馬に敵う牝馬はいないのではないか?」と思うくらいの、晩年に見せた圧巻のパフォーマンスでした!
5位 ダイワスカーレット
父:アグネスタキオン
母:スカーレットブーケ
通算成績:12戦8勝 [8-4-0-0]
主な勝鞍:08’有馬記念 07’エリザベス女王杯 07’秋華賞 他
出典:Wikipedia
牝馬でありながら日本ダービーを制したウオッカのライバルでもあり、自身も有馬記念を制し12戦12連対という記録も持つという、これ程の歴史的名牝が同世代に2頭もいたというのが凄く、ライバル牝馬同士のワンツー決着となり13分にも及ぶ写真判定の大接戦となった天皇賞・秋は、天皇賞史上最高のレースとも評されている。
かなりの能力を持った強い牝馬の1頭であったことは間違いありませんが、疑問が残るレース内容もあり、結果としては同馬が最も得意とするL質なレースが続いたという点は考慮しまして、先行して速い上がりでまとめられるレースになった時には相当強い1頭であると思いました。
4位 アーモンドアイ
父:ロードカナロア
母:フサイチパンドラ
通算成績:11戦8勝 [8-1-1-1]
主な勝鞍:18’牝馬三冠 18’ジャパンC ’19ドバイターフ 他
出典:Wikipedia
この記事を書いている現在まだ現役で、来年のローテは未定のようですが、有馬記念を走った現時点までの段階で評価させていただきました。 断然人気を背負っていた反動も大きいでしょうが、このレースで世間的な評価はガラリと変わってしまったという印象があります。
とはいえこれまで見せたパフォーマンスというのは確かなものはあり、特に秋華賞の内容は圧巻で、同世代牝馬相手なら3クラスくらい上なのは間違いないと思いました。 有馬記念くらい極端でなければ、大体どんな距離・ペース・枠になっても確実に伸びてくるような強さを感じますが、一方で19年のローテにも表れている通り、間隔を開けないと使えない、万全を期した上での19年の結果というのも考慮しました。
3位 ジェンティルドンナ
父:ディープインパクト
母:ドナブリーニ
通算成績:19戦10勝 [10-4-1-4]
主な勝鞍:14’牝馬三冠 14’ドバイシーマC 12′ ’13ジャパンC 他
出典:Wikipedia
オークスでは5馬身差の圧勝で牝馬3冠、史上初のジャパンカップ連覇、海外含むGⅠ7勝ということで、最強牝馬として名が挙がることの多い名牝馬。
ディープインパクト産駒らしく速い上がりを得意としながらも、集中力も高いタイプで、特に鮮度が高く得意の高速馬場であった3歳ジャパンカップでは世界のオルフェーヴルも下した。 タフさを求められると相対的に古馬牡馬一線級相手に一押し欠く場面も見せたが、大崩れは少なく、古馬になってからもGⅠ3勝を挙げる活躍を見せました。
2位 ブエナビスタ
父:スペシャルウィーク
母:ビワハイジ
通算成績:23戦9勝 [9-8-3-3]
主な勝鞍:11’ジャパンカップ 10’天皇賞・秋 09’優駿牝馬 他
出典:Wikipedia
牝馬特有のキレとしぶとさも併せ持ち、もの凄い末脚で猛然と追い込んで来る競馬で阪神ジュベナイルFからオークスまで制するも、秋華賞ではライバルのレッドディザイアに軍配が上がり牝馬三冠を逃す。 古馬牡馬一線級が相手になってからも、その末脚は変わらず、どんな条件どんな相手でも、ラストは確実に伸びて来るので、牝馬でありながら古馬牡馬を退けて常に主役の存在として君臨し続けた。
牝馬ながらこのローテーションで、国内戦はデビューから19戦連続で1番人気(ラストの2戦は2番人気であったがいずれもオッズは3倍台)ということで、ほぼ生涯通じてファンから1番人気に支持され続けて来たのは、牡馬を含めても一番強いと思われていたことに他ならなく、23戦中20戦で3着以内となる走りを見せ続けました。
1位 ウオッカ
父:タニノギムレット
母:タニノシスター
通算成績:26戦10勝 [10-5-3-8]
主な勝鞍:07’東京優駿 08’天皇賞・秋 09’ジャパンカップ 他
出典:Wikipedia
牝馬が強い時代の到来を告げるようにして現れた名牝馬。 牝馬でありながら64年ぶりとなる日本ダービー制覇を成し遂げ、GⅠ7勝という実績を残し、ライバル牝馬ダイワスカーレットと共に牡馬顔負けの活躍を見せる。
前述した天皇賞・秋もそうですが、ヴィクトリアマイル7馬身差の大楽勝、直線では前が全く開かずにラスト少し追っただけで勝ってしまった安田記念等、「牝馬のダービー馬」という称号だけに止まらず、記憶にも記録にも残る走りを見せ続け、このような牝馬は今後現れるのだろうか と思う程、唯一無二の存在感を放ち続ける歴史的名牝の一頭です!
まとめ
以上が私的 日本競馬史上 最強牝馬ランキング TOP10 となりました。
ウオッカを選ばせてもらいました理由は、やはり誰が見ても分かる圧倒的なパフォーマンス、牝馬による牡馬混合GⅠ5勝、非社台であるということ、ダビスタでもやらないような牝馬にとってタフすぎるローテーションを走っても故障しなかったという所 等となります。
>競馬とプロ野球から見る、「トップクラスとの対戦」と「疲労」と「故障」の関係性について
社台の馬のGⅠ7勝と、非社台の馬のGⅠ7勝では意味は違ってきますし、展開が向かないレースも相対的に多くなりやすく、武豊騎手騎乗時の安田記念ようなことも起こりやすいでしょう。
特筆すべきはウオッカのローテーションで、特にここ最近では前哨戦を使わなかったり、きっちり3ヶ月くらい開けて走らせるフィエールマンやアーモンドアイのような、露骨なまでのローテーションが実践されているという中、よりウオッカの凄さが輝いて見えるというところもあります。
私の中では、牝馬であのローテーションで19戦連続1番人気というブエナビスタも候補ではありましたが、より強調する点が多い、ウオッカを1位とさせていただきました!